【タイトル】人生相談は真夜中のバーで
【作者名】蒼井上鷹
【発行】PHP研究所
【あらすじ】

 西下崎の繁華街から少し離れた雑居ビルの二階。エレベーターはなく、客は狭い急な階段を上って訪れる事になる、小さなショットバー「モーさんの隠れ家」には、今日も相談事が持ち込まれる。店を営むモーさんは、父親の日記を参考にしたりして相談に乗っていたが、何故かこの店に相談を持ち込んだ人々は不幸に…

 

・第1話[妻が新型インフルエンザ恐怖症になってしまって困っています]
・第2話[貸したお金を返してもらえず困っています]
・第3話[カレシがいるのに他にも気になる男の人ができてしまいました]
・第4話[子供が何を考えているのかさっぱり判りません]
・第5話[キャバクラのコとつきあいたいんです]
・第6話[ネットでデマを流され、迷惑しています]
・第7話[妻が子供を産んでから、すっかり太ってしまいました]
・最終話[前の恋人から貰ったものを捨てずに使っていたら、今の恋人と喧嘩になりました]

※ここから先は管理人の感想・備忘録となります。ネタバレもありますので、未読の方は閲覧をお控え下さい。

 
連作短編集…ですが、前の話しに出てきた登場人物が後の話しにも関係してくるという作りのユーモアミステリです。バーのマスターが推理する…という話しは聞きますが、こちらはあくまで推理というよりはお客さんの「相談」に乗るという形で、その相談が事件に発展してしまったり、話には裏があるのではないか…という感じでミステリー風味の体になります。日常的な内容に見せかけ、モーさんは命の危機に陥ったりちょっと猟奇的な話があったりしますが、最後にそれらが集約されてストンとおちてくる作りだと思いました。
 謎がスルスルと解き明かされ、スッキリした終わり…というよりはどこかやるせない気持ちになり、ハラハラします。